約2500年前に誕生した
カイロプラクティック

その歴史は2500年にさかのぼる!

カイロプラクティックとは、「手によって施す」という意味を持ち、ギリシャ語が元々の語源です。


この療法は、今から約2500年前に医学の父であるヒポクラテスによってすでに行われていたもので、今日でも医者が行う処置を”手当て”と 呼んでいるのがそのなごりです。

そして現代に蘇る!

1895年(明治28年)9月18日、カナダ生まれのアメリカ人 ダニエル・デヴィット・パーマー氏によって再び史上に登場しました。

ダニエル・デヴィット・パーマー氏は、難聴者の脊椎に異常なズレを発見しそのズレを素手で矯正したところ、見事、神経機能が正常化し難聴が回復しました。
その後、この療法は、脊椎構造を重視するヘルスケアとしてアメリカで瞬く間に拡がり、全米すべての州で公認されました。

日本でも普及する予防医学

現在では、WHO世界保健機関も推奨する予防医学として世界の国々で普及しています。

 

日本におけるカイロプラクティックは、大正年間に当時の米国ルーズベルト大統領の招きで柔道親善大使として渡米した川口三郎氏が現地でパーマー氏からカイロプラクティック療法の指南を受け、その矯正技術を日本に持ち帰ったのが始まりです。
戦後になり、アメリカ留学を終え帰国したカイロプラクターやその指導を受けた日本の民間療法家たちによってカイロプラクティック学校・団体が次々に創設され、民間療法の一つ(療術)として今日での隆盛をみてきています。

当校がガイドライン作成に参加

インターナショナルカイロプラクティックカレッジ(ICC)は、1987年に日本で最初に全日制教育を開始したカイロプラクティック学校で、2004年にWHO世界保健機関の「カイロプラクティックの基礎教育と安全性に関するガイドライン」 の作成会議に日本代表校として参加し、ガイドライン作成に貢献しています。

カイロプラクティックの
基本原則

健康と治療の考え方

カイロプラクティックの健康と治療に関する考え方は全体論的であり、すなわち「内的変化や外的変化を繰り返すダイナミックな環境の中に、生体のあらゆる部位と系が統合されていく」複雑なプロセスが健康であるという解釈を基本としています。

人間の持つ自然治癒力を重視

カイロプラクティックは、恒常性 ホメオスタシスを維持しようとする生体の機能を保つことによって、健康の最適化をめざす保健科学であり、人体にはこの世に誕生したときから、環境に適応できる潜在的能力、すなわちイネイト・インテリジェンス innate intelligenceが 備わっているものとみなします。


そのような人間の能力を、昔のヘルスケアの草分けたちは、自然が持つ治癒力(vis medicatrix nat urae)の証と考えていました。 この解釈は、生体本来の自然治癒力による健康の維持・回復と、患者の積極的参加による疾病の治療・予防に重点を置いています。

健康で病気のない状態

生命体の中に宿るエネルギー、いわゆる“サトル・エネルギー”が健康と疾患にかかわっているという説は、数多くの教典や著作物に 記述されています。

カイロプラクティックの祖であるダニエル・デヴィット・パーマー(D.D.パーマー)と彼の初期の教え子たちは、 病気にかかってからの治療よりも、健康で病気のない状態を重視していました。
初期のカイロプラクティックの理論では、神経筋骨格(NMS)系とりわけ脊柱(背骨)が病気の治療と予防に重要な役割を果たしているとしました。

神経×背骨を重視した考え方

現在のカイロプラクティックでも、神経筋骨格(NMS)系の問題の評価とそれに 対する伝統的治療法を尊重していることに変わりはなく、総合的な意味での健全さや健康にNMS系が大きく貢献していることを理論の基本としています。

筋骨格系の機能障害や疾患は、どのような種類のものにせよ、運動器系の支障をもたらしひいては個人の生活全般に影を落とすことになります。
このような解釈は、人体の構造と機能の密接な関係を重視する原則に基づきます。

カイロプラクティックの
特徴

他の療法と併用できる

カイロプラクティックの特徴は、脊椎や四肢の関節の障害に対する治療にアジャストメント(徒手的)・テクニックを用いることですが、患者の管理や健康増進のために、他の治療法を取り入れることも少なくありません。


たとえば、食事療法、サプリメント、理学療法、運動療法などはよく併用される方法です。

カイロプラクティックの立場から見ると、筋骨格系の障害は発生頻度が高く、しかも長期の休職や余暇活動の制限の原因となることが 多いにもかかわらず、臨床的には他の部位の問題より軽視される傾向があります。
したがって、患者がいかなる症状から診療を求めてきた場合でも、筋骨格系の問題を充分に考慮して、評価を行うべきです。

筋骨格系を検査する

筋骨格系は、生体のあらゆる部位と同様に全身の一部として扱われるべきで、他の部位と同等に詳しい診断検査が必要です。


臨床的に注意が必要な機能異常の多くに、筋骨格系がかかわっているので、一見、筋骨格系とは無関係のような問題でも、診断の際に検査の対象から筋骨格系を外してはならないと言えます。
人体においては、筋骨格系が質量の半分以上を占めるとともに、もっとも多くのエネルギーを消費する器官でもあります。
筋骨格系が必要とするエネルギーの大半は、体内の他の器官から供給されるので、筋骨格系の活動が増えると、より多くのエネルギーを供給するために、他のすべての器官の負担が増えていくこととなります。

神経系が全身に影響を及ぼす

カイロプラクティックでは、筋骨格系の疾患や機能障害によって活動効率が低下するために、生体の他の部位に必要以上の負荷がかか るという見方をします。


カイロプラクティックのひときわ特徴的な原則は、「ヒトにおいては、高度に発達した神経系が全身のすべての系に影響を及ぼしており、健康と疾患に深く関与している」というものであります。
筋骨格系の機能障害と、他の系に対する神経支配の変化との間に どのような関係があるのかはまだ十分に解明されていませんが、「構造(筋骨格系)の何らかの異常が機能(神経系)に影響を及ぼ し、生体の健全さが損なわれる」というのが、カイロプラクティックの伝統的な基本原則です。

イネイト・インテリジェンス

この原則は、たとえば、病気に抵抗するための免疫系の能力に神経系の働きが作用しているという事実によって裏づけられます。


神経系には、内分泌系に働きかけることで、生理学的に安定な状態、つまり「恒常性 ホメオスタシス」を維持する役割もあります。
外界に変化が生じても生体が一定の状態を維持したり、均衡を保とうとしたりする現象を、ヒポクラテスは「ポノス(苦労)」と呼びましたが、この現象をもとに、パーマー独自の「イネイト・インテリジェンスが健康に影響を及ぼす」という概念が生まれたのです。